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  • 「スマートフォン依存」にご注意を!! 生活に必要不可欠な便利ツール、使い過ぎると悪影響が…

「スマートフォン依存」にご注意を!!
生活に必要不可欠な便利ツール、使い過ぎると悪影響が…

スマートフォン(以下スマホ)は便利な一方で、使い過ぎると依存するようになり、昼夜逆転や引きこもりなどの原因になることもあります。スマホを中心としたインターネット依存の傾向にある人は、日本において421万人いるといわれています。スマホに依存する人たちのなかには「不安症」や「発達障害」などの病気が隠れている場合があることから「スマホ依存外来」なども開設されています。

もの忘れが多くなり、判断力が低下

スマホに依存する人をみると、男性ではゲーム依存が多く、女性はSNS依存が多い傾向があります。周囲とのコミュニケーションがうまくとれない、不得意だという人が、ゲームやSNSに自分の居場所をもとめて依存してしまうという傾向が強いようです。

スマホ依存が強くなるともの忘れが激しくなり、判断力や意欲が低下することがあります。前頭葉の血流が減少し、スマホから流れる文字や映像などの膨大な情報についての処理能力が追いつかなくなってしまうと考えられているからです。またスマホの使用時間が長い子どもは大脳の発達の遅れがみられるという研究結果もあります(東北大学加齢医学研究所調べ)。

スマホ依存から脱却するために必要なのが、デジタル機器から離れる時間をもつ「デジタル・デトックス」です。お風呂、トイレ、寝室にスマホを持ち込まないといった身近なことから、スマホをおいて森や川、海などの自然に接してリラックスする…、さらには「デジタル・デトックス」のためにスマホを預けて滞在するホテルなども登場しています。

スマホ外来における検査と治療

スマホ外来の診療においては、専門医が生活リズムを整える方法や、家族や周囲などとの関わり方をアドバイスし、スマホ依存になる原因や影響についての心理教育を行います。現状の把握と問題の背景を明らかにするために身体検査や心理検査も行います。

若者を中心にしたデイケアを実施しているところもあり、現実の世界で「自分の本来あるべき姿」や「新たな可能性」をみつけるため、主に次のことを行っています。

➀集団での活動(スポーツ、調理、認知機能ゲーム)

➁睡眠、運動、栄養、依存、健康問題、ストレス対処などについての認知行動療法を中心にした心理教育

➂コミュニケーション技術のトレーニング

昼夜逆転して生活をもどすことができない、スマホにのめり込み過ぎて部屋から出られないなど、自力での修正が困難とみられた場合は、1カ月程度入院して治療を行うこともあります。

(参考資料:東邦大学医療センター大森病院の取り組み)

脳の疲労を防ぐために生活習慣を見直してみる

スマホ依存にならないためにはスマホを使わないことが何より効果的ですが、現代社会においてスマホを使わないことは不可能だという人は多いでしょう。スマホ依存で問題なのが脳の疲労と、それによって引き起こされる健康問題です。スマホを使い過ぎると脳が疲弊し、機能が低下します。ここでは脳の疲れを軽減させ、イキイキと毎日を過ごすために生活にとり入れたい工夫の一部について紹介します。

➀リズム運動を行う

リズム運動を行うと脳をリラックスさせてぼんやりした状態をつくり、脳内のセロトニンを活性化させるといわれています。セロトニンは精神を安定させ、不安やストレスをやわげる働きをするホルモンです。同じ動作をくり返すリズム運動を行うとセロトニンは開始5分後くらいから分泌が促進され、20~30分経ったころにピークに達します。
(例) 散歩/サイクリング/スイミング/皿洗い/靴みがき

➁マルチタスクは優先順位をつけて行う

働き盛りの人は、並行して仕事を行うマルチタスクをもとめられがちですが、脳はマルチタスクがとても苦手です。マルチタスクに取り組むときは作業を始める前に優先順位をつけるとよいでしょう。脳に負担がかかりづらいモノタスク(=ひとつの作業に集中すること)に切り替えられます。

➂15~30分程度の昼寝をする

入眠20分程度で訪れるノンレム睡眠の状態では、脳内に蓄積された疲労がクリアされることが報告されています。あまり長い時間眠ると頭がボーッとしてしまうので15分間、昼休みなどに昼寝をするとよいでしょう。

④外に出かけてセレンディピティを楽しむ

素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することを「セレンディピティ」といいます。散歩のような軽い運動中は脳が活性化されて情報収集力が研ぎ澄まされるため、街を歩いていると新しくできた建物やレストランなど、いろいろなものがアンテナにひっかかり、脳に新しい刺激をあたえてくれます。

➄目的地までスマホを検索せずに移動する

いつもスマホ検索で目的地に行こうとすると視空間認識力が衰えてしまいます。これは方向、形、大きさ、距離感などを頼りに空間を把握する力です。自分の五感と脳を信じて行動することが大切です。視空間認識力は、いつもの道順を変えたり、いろいろな場所にでかけたりすることできたえられます。

 

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