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第11回 フォトグラファー編-2
人々の心を動かすことができる「いい写真」を目標に

2023/09/11

フォトグラファーM
写真の世界は日々変化しているので、継続的に勉強しています

フォトグラファーM:写真学科のある大学を卒業後、企業の広報誌などを制作するプロダクションに入社。約20年間フォトグラファーの経験を積み、2023年4月当社に入社。

モノクロ写真の美しさや表現の魅力に惹かれる

――まずは、フォトグラファーを志したきっかけを教えてください

当初はフォトグラファーになるためではなく、芸術学の視点から写真を学びたいと思い写真学科のある大学に入学しました。東京都写真美術館ができて間もないころで、写真表現もオーソドックスなものから、美術作家の方が表現手段として写真を使用するなど、「写真を撮る」ことだけではなく、鑑賞や、語られる側面などにも面白さを感じていました。

入学した大学では、当時主流のフィルムの実技があり、暗室での現像、プリントの経験をしていくうちに、モノクロ写真の美しさや表現の魅力に惹かれ、次第に撮ること、作ることにのめり込んでいきました。

学校にはフォトグラファーアシスタントのアルバイトの求人がよくきていて、学生ながらプロの現場で仕事の経験も重ねました。プロの撮影テクニックや作法など、現場でしか学べないことばかりだったので貴重な経験でした。まだ10代の社会のことがわかっていないなかで、フォトグラファーだけではなく、デザイナーや編集者などいろんなプロフェッショナルの仕事ぶりを覗くことができて世の中のことも少し学ばせてもらいました。

地方出身の私が芸能人を初めて間近に見たのもその時で、音楽雑誌に掲載する俳優さんの撮影でした。一瞬で自分の世界を作って、フィルム2本分の撮影を終えサッと次の現場へ移動していく俳優の方の仕事ぶりに驚きました。そして、それ以上に、フォトグラファーがその場でその人に合わせて撮影を進めていく瞬発力や雰囲気の作り方に感激しました。その時はわからなかったのですが、恐らく先回りして準備も入念にやっていたのだと思います。
そのような環境にいたため、厳しい世界だということはわかっていましたが、徐々にフォトグラファーになりたいと考えるようになりました。

――どのようなフォトグラファー生活を送っていましたか?

新卒でお世話になったところは、自社の書籍をはじめ、採用ツール、ホームページなどを制作する会社でした。絵コンテに従ってじっくり時間をかけて撮影する案件から、効率的に撮影を行うことが求められる案件まで、さまざまな要望に対応してきました。たとえば、芸能人の著者が表紙に登場する書籍では、撮影時間をわずか2分で行ったこともありました。撮影は毎日欠かさず行われ、基本的には何でも撮る姿勢で臨んでいたため、自然と表現の幅が広がっていったと感じています。これらの経験によって鍛えられ、現在まで写真の仕事を続けてこられたと思います。

レンズ越しの多様な世界

――これまで撮影してきた分野を教えてください

これまで撮影したものは幅広く、例えば、小さなネジや電子部品から巨大なロケットやタンカー、料理や建築物まで撮影しました。また、芸能人やモデル、アスリート、アーティスト、有名な経営者から赤ちゃんまで、さまざまな人物を撮ってきました。撮影した人数をざっと計算しても数万人はいくと思います。

他にもアートプロジェクトの撮影やファッションブランドのカタログの仕事、ヘリコプターに乗っての空中撮影も経験しました。撮影する対象にかかわらず、常に挑戦しながら撮影してきました。

――愛用の機材や道具はありますか?

愛用カメラは弊社で提供されたソニーα7IVです。長年使っているシンクタンクフォトのキャリーバックも気に入っています。
ソニーα7IVは言うまでもなく高性能でコンパクトな素晴らしいカメラです。バックについては、これが3代目で、ずっと同じものを使い続けています。頑丈な作りのおかげで、なかなか壊れることはありません。とはいえ、初代のバッグではタイヤを3回交換し、ハンドルも一度交換しました。バタバタした撮影現場でも、機材を迅速に取り出すことができるので、長年使い続けています。

キャリーバック
愛用のシンクタンクフォトのキャリーバックは3代目

――仕事に関して心がけていることは

継続的に勉強することです。

写真の世界は日々変化していて、新しい技術やトレンドの表現方法が求められます。機材に関してだけでなく、情報を常に入手できるように心がけています。ほかにも、写真展や写真集なども表現のヒントになることがあるので、時間を作って鑑賞するようにしています。

――最後に、今後の意気込みを聞かせてください!

健康や医療、福祉といった分野で、くらしに役立つ情報を伝える写真を撮影することです。同時に、写真には人々を感動させたり喜ばせたりする力があると信じています。単にテクニックの上手な写真ではなく、人々の心を動かすことができる「いい写真」を目標に、努力を重ねていきたいと思っています。

個展のDM
2019年に個展を開催した際のDM

【有楽町の写真】
休日もカメラを持ち歩き、気になったものをスナップしています。仕事以外では何かテーマを持ってというより、気ままに撮影することのほうが多く、この有楽町の写真も何気なく撮ったものです。銀座を撮影した写真家の名作も多く、海外の著名な写真家が銀座を散歩しながら撮影をしている姿を見かけたこともあります。そんな魅力的な街に毎日通勤し、撮影ができるという環境もなかなかないと思います。また個展開催に向けて撮影をしていきたいです。

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