2017年6月
6月4日は、6(む)と4(し)の読み方にちなんで「むし歯の日」―― このように覚えている人も多いでしょう。実は、正式名称はちょっと違います。
もともとは1928(昭和3)年に日本歯科医師会が定めた「むし歯予防デー」が始まりでした。その後、何度か名称を変えながら存続し、2013(平成25)年には、6月4日をスタート日とする「歯と口の健康週間」が制定され、現在に至ります。
「歯と口の健康週間」の期間中は、国民に歯科疾患の予防に取り組んでもらうため、厚生労働省や日本歯科医師会などが中心となって、さまざまな啓発事業が行われています。みなさんもこれを機会に、むし歯についての知識を再確認し、予防に取り組んでください。
口の中には数百種類の細菌が棲んでいて、一部の細菌がむし歯をつくります。その代表がミュータンス菌です。ミュータンス菌は食べ物や飲み物に含まれる糖分をエサにして酸をつくり出します。その酸によって歯のエナメル質が溶かされ、むし歯ができるのです。
ですから、口の中に細菌を増やさないようにすること、細菌が酸をつくり出しにくい生活を送ることが、むし歯予防には不可欠です。
まずは歯みがきです。食事が済んだら、歯の表面だけでなく、歯と歯の間、歯と歯ぐき(歯肉)の境目の汚れも、歯間ブラシやデンタルフロスも使って、ていねいに取り除きましょう。
また、間食で甘いものを頻繁に食べたり飲んだりする習慣がある人は、改めましょう。
むし歯や歯周病の早期発見もかねて、半年~1年に1回程度、歯科医院で定期的にチェックを受けることもおすすめです。
毎日歯みがきを行っていても、みがきにくい部分に細菌の集まりである歯垢(プラーク)が付着することがあります。歯科医院ではブラッシング指導を受けられるほか、染め出し液を使い、どこにプラークがつきやすいかをチェックしてもらえる場合もあります。
また、歯垢を放置すると、石灰化して歯と歯肉の境目などに歯石ができやすくなります。歯石には細菌がつきやすく、むし歯や歯周病を引きおこす原因になるので、歯科医院で定期的に歯石を除去してもらいましょう。
毎日の歯みがきによるセルフケアと、歯科医院での定期的なチェックで、「歯と口の健康」を守りましょう。
(ウェブ事業部 I)