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コロナ禍で受けやすくなった
オンライン診療

「オンライン診療」とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを使い、自宅にいながらインターネットを通じて医師の診察を受けることをいいます。2018年から健康保険の対象になっていますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、2020年から健康保険適用の条件が緩和され、利用しやすくなっています。オンライン診療のしくみや、受けるときの手順、注意点などをご紹介します。

スマホなどで診療が受けられ、コロナ感染の心配もない

オンライン診療は、患者にとって「通院の時間や交通費が不要」「予約制なので待ち時間がなく、忙しい人でも診察が受けられる」などのメリットがあります。また、医療費は対面診療よりも安く設定されています。

本来、オンライン診療を健康保険で受けるには、

  • スマートフォンなど、ビデオ通話が可能な端末を使用する
  • 初診は医師の対面による診察が必要なので、再診からが対象
  • 病状の安定した糖尿病、高血圧症、不整脈、ぜんそく、慢性頭痛などの慢性病が主な対象

…などの条件が設けられています。しかし、昨年(2020年)の初めごろから日本国内で新型コロナウイルス感染症が拡大し、「コロナに感染するかもしれないから病院に行きたくない」と、具合が悪くても受診をためらう人や、定期通院をやめてしまう人が続出したことから、国では2020年4月から、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの「時限的・特例的な取り扱い」として、以下のようにオンライン診療のルールを大幅に緩和し、現在(2021年6月)もこれを継続しています。

  • 初診の患者も対象とする
  • スマートフォンやパソコンなどのビデオ通話に限らず、電話での診療も認める
  • 対象となる病気の制限をなくす(ただし、症状によっては対面診療が必要な場合や、医師から受診をすすめられる場合もある)

オンライン診療を受けるための手順と注意点は

1.オンライン診療を受ける医療機関を決める

受診したい医療機関が電話やオンラインによる診療を行っているか、ホームページや電話、医療機関の窓口などで確認します。厚労省では対応医療機関のリストを公表しています。

*まずは自分のカルテのあるかかりつけ医にあたってみましょう。また、医師の判断により対面診療を求められる可能性もあるので、自宅近くの医療機関がおすすめです。

厚生労働省・オンライン診療に関するホームページ(対応医療機関リストも掲載)

2.事前予約する

電話での診療の場合は、医療機関に電話し、保険証などの情報を伝えて予約します。

オンライン診療の場合は医療機関によって予約方法が異なるので、ホームページなどで確認して予約します。また、医療機関ごとに使用するアプリやソフトが違うので、受診する医療機関のアプリ(ソフト)を自分のスマホなどにインストールします。

予約の際、支払方法についても確認しましょう。医療機関への医療費の支払い方法としては、銀行振り込み、クレジットカード、電子決済、次の診察時に支払う、などがあります。

3.診療を受ける

医療機関側から電話着信、あるいはオンライン接続され、診療がスタートします。患者は被保険者証、医師は顔写真付きの身分証明証などでお互いに本人確認を行ってから問診に入ります。

4.診療が終わったあと

患者が薬の配送を希望する場合は、薬を受け取る最寄りの薬局を医療機関に伝え、診療が終わったら薬局に連絡します。薬局には医療機関から処方箋が送られ、患者が電話やオンラインを通じて服薬指導を受けたあと、薬を配送してもらいます。薬の種類や、状況によっては、患者が薬局に出向き、対面で服薬指導を受けてから薬を受け取る場合もあります。

歯科でも同様に、2020年4月から新型コロナウイルス感染症が収束するまで、時限的・特例的に、初診からの電話診療、オンライン診療が認められています。考えられるケースとしては、「抜歯したあと痛みがある」「入れてもらった詰め物の不具合」「歯ぐきに出血や痛みがある」などがあげられます。

コロナ後も、初診からオンライン診療を受けられるように

現在は、特例として初診からオンライン診療が認められていますが、2021年4月の調査によると、これを実施している医療機関は6.5%にとどまっています。

国では、国民の利便性を考え、新型コロナウイルス感染症が収束したあとも、初診からのオンライン診療を恒久化するために検討を続けています。

その条件として、「患者と医師が映像でやりとりできること」「原則としてかかりつけ医に診てもらうこと」をあげています。かかりつけ医がいない場合は、患者と医師の合意があれば、初診でのオンライン診療を認める方向で議論が進められています。
軽微な病気や、病状の安定した慢性病は、オンラインを利用して待ち時間なく診てもらう……そんな時代が近づいています。

 

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