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高尿酸血症
激痛で知られる痛風のほか、さまざまな合併症のおそれも

血液中に尿酸が増えた状態を「高尿酸血症」といい、高尿酸血症の人は日本に1,000万人以上いると推計されています。高尿酸血症自体はとくに症状はありませんが、関節にたまった尿酸の結晶がはがれると、激しい痛みを起こす痛風を招きます。さまざまな生活習慣病のリスクも高まるので、尿酸値が高いと指摘された人は対策を始めましょう。

プリン体が肝臓で分解されて尿酸がつくられる

高尿酸血症の原因となるのは体内にある「プリン体」という物質です。プリン体はさまざまな食品に含まれ、食事で取り入れられるほか、体の細胞の新陳代謝や運動などによるエネルギー代謝によって体内でもつくられます。体内にあるプリン体のうち食事由来のものは1~2割で、体の中でつくられたものが8~9割を占めるといわれています。体内のプリン体は肝臓で分解され、そのときに「尿酸」という老廃物ができます。尿酸は常に体内で産生されていますが、尿や便に含まれて体外へ排泄されているため、一定の範囲に保たれています。しかし、産生される量が増えたり、排泄される量が減ったりすると血液中にたまって溶けにくくなり、尿酸が結晶化して関節の軟骨の表面や、関節の滑膜などにたまります。

この尿酸の結晶が何かの拍子にはがれると、免疫細胞がそれを異物とみなして攻撃し、炎症が起こります。このとき関節などが腫れて激しい痛みが起こるのが痛風発作です。痛風発作の約7割は足の親ゆびの付け根の関節に起こりますが、足の甲や手の指、肘などに起こることもあります。

尿酸と関連がある病気は痛風だけではありません。尿酸は腎臓から尿とともに排出されるため、尿酸が増えると尿路結石ができやすくなります。また、尿酸値の高い人は高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームを合併しやすく、それによって動脈硬化が進みやすくなって虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)や、脳卒中のリスクも高まります。

7.0mg/dLを超えると高尿酸値血症

尿酸値は血液を採取して測定します。人間ドックや健康診断のメニューにはたいてい尿酸値の検査が含まれています。人間ドックなどで尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」とされ、医療機関への受診をすすめられます。医療機関では、あらためて尿酸値を測定するほか、必要に応じて関節の超音波検査や、高尿酸血症に合併しやすい生活習慣病の検査(腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病など)が行われます。検査の結果に応じてどのような治療を行うかが決められます。以下がその概要です。

●尿酸値が7.0mg/dLを超えた場合

高尿酸血症と診断され、尿酸値の低下を目指してアルコールの摂取制限や食生活の改善などの「生活指導」が行われます。

●尿酸値が8.0mg/dL以上の場合

痛風の症状や、ほかに何も合併症がなければ生活指導が基本です。何らかの合併症(上記参照)がある場合は、生活指導に加えて尿酸値を下げるための薬物治療が検討されます。

●尿酸値が9.0mg/dLを超えた場合

痛風やその他の合併症がなければ生活指導が行われますが、合併症がなくてもケースによっては薬物治療が検討される場合もあります。

◎痛風発作がある場合

尿酸値の数値にかかわらず、痛風発作がある場合は、激痛を抑えるために薬物治療が行われます。痛みが治まったあとは、再発を防ぐために生活指導と、必要に応じて高尿酸血症の治療が行われます。

高尿酸血症・痛風で使われる薬

高尿酸血症の薬としては、主に「尿酸生成抑制薬」(アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットなど。いずれも一般名)と、「尿酸排泄促進薬」(ベンズブロマロン、プロベネシド、ドチヌラドなど。いずれも一般名)などがあります。
痛風発作がある人には、炎症を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、コルヒチン)が用いられます。

なお、尿酸値が高いときに薬で急に下げると痛風発作を起こしやすくなるので、尿酸値を下げる薬は痛風の炎症が治まってから服用します。

高尿酸血症を予防・改善するための生活習慣

高尿酸血症は生活習慣に大きな影響を受けます。日ごろから以下のことを意識して、自己管理することが大切です。

➀食べ過ぎないようにする

肥満になると肝臓で尿酸がたくさんつくられるようになるため、栄養バランスのよい食事をとるようにし、腹八分目を心がけましょう。

②プリン体の多い食品は控える

細胞の数が多いものにプリン体が多く含まれます。魚の干物、レバーなどの内臓、魚介類(いか、かつお、大正えびなど)、肉類などがそれにあたります。一方でとったほうがよい食品としては野菜や海藻、きのこ類があげられます。これらは尿をアルカリ化して尿酸を溶けやすくしてくれます。

➂アルコールは適量までに

ビールにプリン体が多く含まれることが知られていますが、ビールに限らずアルコールは肝臓での尿酸の産生を増やして、尿酸の排泄を抑える働きがあります。したがって飲む量が増えるほど尿酸値は上がります。1日に日本酒1合、ビール500ml、ウイスキー60ml以上飲むと、尿酸値への影響があると考えられています。

④水分補給はしっかりと

水分を多くとると尿の量が増え、尿がうすくなり尿酸が溶けやすくなります。逆に水分が不足すると尿酸が溶けにくくなり、結晶化につながってしまいます。水分は1日2リットルとるのが目安です。

⑤ジュースやスポーツ飲料は控えめに

砂糖や果糖は体内での尿酸の産生を促進するのでとり過ぎに注意します。水分補給には市販のジュースやスポーツドリンクなどではなく、水やお茶などを飲むようにしましょう。

⑥無理のない適度な強度の運動を

激しい運動をすると尿酸値が上昇してしまうので、ウオーキングや水泳などの有酸素運動を、無理のないペースで行いましょう。汗をかくと体内の水分が減少して尿酸の濃度が高くなるので水分補給も忘れずに。

⑦ストレスを上手に解消する

ストレスも尿酸値の上昇につながります。没頭できる趣味や、リラックスできる時間をつくることが大切です。

 

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